日本人初の全米催眠療法協会認定ヒプノセラピー講師 中島勇一によるグループセッション
日本人初の全米催眠療法協会認定ヒプノセラピー講師 中島勇一によるグループセッション


2007年10月

「体験による変化をもたらすヒプノセラピー」


  〜過去生、幼児期、今の自我ではない体験〜

 あなたが宝くじに当たって、3億円を手にしたとします。そのお金で何をしますか? 急にお金持ちになったあなたに、周りの人はどのように接するようになるでしょうか。それとも、誰にも言わず、銀行に入れたまま質素に暮らしますか? たとえ質素に暮らしていても、銀行に3億円あるというのは、その後の人生をどんな気持ちで生きていくことになるのでしょうか。きっと、それまでにはなかった様々なことを体験しますよね。あなたはそうした体験をした後でも、宝くじに当たる前のあなたと同じでいられるでしょうか。


■いつもとは違う体験をすることで、ひとりでに変わっていく


 心理療法の目的は、「変化」です。心が何かにこだわり過ぎて生きにくくなっている状態から、こだわりがほぐれて楽な状態に変化していくことです。人に変化をもたらす要因は様々ですが、一番大きく作用するものは「体験」です。

 人生は体験の積み重ねによってできています。ですから今までと同じような体験を繰り返していても、あなたは変わらないでしょう。いつもとは全く違うことを体験すると、あなたは必ず変化します。自分では変わりたいと思っていなくても、ひとりでに変化してしまうのです。

 変化をもたらす体験とは、意識的・現実的な体験だけではありません。私たちの意識の深い次元、いわゆる無意識の中には、「これが自分だ」と認識している自我の他にも、自我が気づいていない気持ちがたくさんあります。この、いつもの自我とは違った気持ちを体験することで、私たちの自我は変化して、感じ方や行動、反応の仕方が自然に変わるのです。

 私たちは、瞑想や眠っているときに見る夢を通じて無意識を体験することができますが、ヒプノセラピーでは、無意識の中にある「自我ではない気持ち」を体験するために、催眠状態を活用します。

 例えば、自分の母親をどうしても許せないことで苦しんでいるクライアントが、催眠のなかで母親その人になる体験をした後、母親に対する感じ方が前とは違っていることがあります。同様に、幼児期退行催眠では、抑圧されている子供の頃の自分を体験し、心の中に取り戻すことで、より自分らしくなっていきます。また、強くて巨大な存在に追いかけられる悪夢を繰り返し見ていた人が、催眠の中でその強くて巨大なものになった自分を体験することで、心の奥に閉じ込めていた強さを自分のものにします。

 自我ではない体験のなかでも、過去生の体験は、別の時代の別の肉体にいたときの体験ですから、今の人生とは全く違った体験です。その体験自体が事実かどうか、過去生が本当にあるのかないのかは、証明することができないのでわかりませんが、催眠状態で過去生を体験することは、今の人生で何かに固くこだわっていたクライアントの気持ちを、より自由にしていく上で大きな効果があります。ある人は、過去生の自分が死んだときに、肉体を抜け出て魂となった状態の意識を体験し、今の肉体や環境に縛られていない魂の存在としての自分が、もっと伸び伸びと今の人生を生きている感じがするようになったといいます。また、ある末期ガンのクライアントは、催眠中に過去生で死んで肉体を抜け出る体験をしました。その後も過去生の存在自体については少し懐疑的なのですが、このセッションをすることによって、ずっと抱いていた死への怖れが軽減されたそうです。


■催眠で意識の深い次元(無意識)を体験する


 私たちが通常の意識状態のときには、現実の世界に意識がフォーカスされています。ここでの体験は、一つひとつ個別に分離されて固定されている状態です。私という存在も、「私は、2007年に生きている、51歳の男性で、セラピストをしている」と確かに定まっています。現実の世界で生きているときは、これが当たり前なのです。ところが意識が深い次元になればなるほど、分離して個々に固まっていた状態が緩んでいって、固定されていない状態になります。すると、私は、現実の私ではないものに容易に変わってしまうのです。例えば、夢の中では、私は男性ではなくて女性になることがあります。小学生の頃や未来の夢も見ます。セラピストではなく、18歳の踊り子になっているかも知れません。性別や時間、年齢や職業や個性も、簡単に変わってしまいます。空を飛んだり、海の中を散歩したりすることだってできます。現実の中では、「こうあるべき」というカチッとした意識(自我)が、夢の中ではユルユルに緩んでいるのです。

 催眠は、意識の深い次元(無意識)へと降りていく体験です。ですから、催眠状態の中では、今の自我ではない存在、例えば過去生の自分だけでなく、自分を裏切った恋人や、自分の親になることが容易に体験できるのです。


■変化を助けるヒプノセラピー


 ヒプノセラピーを体験したことのない人は、頭のなかで空想したりイメージしたりするだけで、そんなに変化するのだろうかと疑問に思われるかも知れません。

 怖い夢を見ているときなどは、現実ではないのに生々しい現実感がありますよね。意識の深い次元での体験には、リアリティーがあるのです。霊能者に「あなたの過去生はこうです」と言われて過去生を“情報”としてただ知るのとは違って、ヒプノセラピーでの過去生は、現実感のあるあなた自身の“体験”になるのです。

 そして、過去生に限らず、催眠状態の中にある意識が今までの自分とまったく違う体験をして現実に戻ってくると、自我がひとりでに変化しています。何かに意識的に気づく必要もありません。人は、体験によって変わるからです。

 ヒプノセラピーでは、催眠状態の中で様々な「体験」をすることができます。ここが、カウンセリングや精神分析と大きく違う、ヒプノセラピー独自の特徴であり利点なのです。


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